てんかんと自動車運転
てんかんと自動車運転
てんかんがあることで一律に自動車運転を制限されることはありません。適切な治療をうけることで、安全な運転操作に支障となる症状が現れなければ、自動車運転は可能です。
てんかんのある人ならびに
家族の皆さんへ
てんかんのある人が加害者となる交通死亡事故の報道をきっかけとして、「改正道路交通法(改正道交法)」と「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転死傷処罰法)」の2つの法律が、2014年に施行しました。てんかんのある人やご家族の皆さんには、運転免許取得・更新に際して、ご心配・ご不安なことも少なくないと思います。協会にも多くの相談が寄せられています。
自動車運転に関連して、ぜひ知っておいた方が良いことを次に示します。ご確認のうえ、皆さんも法令遵守を心がけてください。
- てんかんのある人の運転免許取得には、一定の条件が定められています。
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てんかんのある人は、大型免許と第2種免許の取得は控えてください。
- 運転を主たる職業とする仕事も、お勧めできません。
- 5年以上発作がコントロールされていて服薬も終えている場合に運転適性があります(日本てんかん学会)
- 病状が安定し運転免許の取得(更新)を考えるときは、主治医に相談しましょう。
- 運転免許の取得(更新)の際には、質問票に示される病状がある場合には正しく申告しましょう。
- 体調不良や抗てんかん薬を飲み忘れた時などには、運転を控えましょう。
- 運転に支障が生じる状態になった時には、運転適性相談窓口(運転免許センター内などに設置)に相談をしましょう。
- 免許取得や更新時の質問票に虚偽回答をした上で事故を起こすと、罰則が科せらることがあります。
- 病気の症状等を理由に免許を取り消しになった場合は、取り消しから3年未満に運転適性の状況が回復すれば、実地・学科試験免除(適正検査のみ)で免許の再取得が可能です。
- 運転をすることができない状態であるのに運転をし続ける人を、医師が公安委員会に届け出ることができます。
- 安全に運転してはいけない状態であることを承知しながら運転をして、死傷事故を起こした場合の刑罰が重くなりました。
てんかんと自動車運転に関する資料
附帯決議
- てんかんと自動車運転について、もっと詳しく知りたい方は、「なみセレクションvol.4 てんかんと自動車運転」(300円/1冊+送料)をご活用ください。
運転免許センターの窓口
全国の安全運転相談窓口(旧運転適性相談窓口)では、ご本人やご家族からのご相談を受けています。
■専用ダイヤル(#8080)
これまで病状などを申告してこなかった人が、相談窓口でそれまでのことを罰せられることはありません。また、病状などについて相談をすることですぐに運転免許を取り消されることもありません。不安なことがありましたら、気軽に安全運転相談窓口(旧運転適性相談窓口)をご活用ください。
- インターネットで「安全運転相談窓口」と検索すると警察庁のホームページが出てきますので、そこで都道府県別の窓口一覧がダウンロードできます。
- 万一、安全運転相談窓口(旧運転適性相談窓口)や運転免許手続きに際して、プライバシー保護に配慮が無かったり偏見を助長する行為があった場合には、協会へご一報ください。
てんかんと自動車運転にかかわる協会の動き
協会は、てんかんのある人と自動車運転をめぐり要望活動や声明の発表を行っています。以下は、過去の資料です。ご参照ください。
栃木県鹿沼市で発生した交通死亡事故に関する声明
京都市内で発生した交通死亡事故に関する声明
刑法および運転免許制度に関する要望書
第1回一定の病気等に係る運転免許の在り方に関する有識者検討会(ヒアリング発言内容)
自動車運転による死傷事犯の罰則整備に関する要望書
京都・祇園ワゴン車暴走事故の事故原因に関する質問書
「道路交通法改正試案」に対する意見
緊急署名用紙国会での慎重な審議を求む
緊急シンポジウムアピール
道路交通法の一部改正に関する声明
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律案への7団体要望書
衆議員法務委員会附帯決議(自動車運転処罰法)
自動車運転死傷行為等処罰法案の審議を慎重に行ってください(要望書)
「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」への8団体要望書
道路交通法施行令の一部を改正する政令案への意見募集(パブリックコメント)についての意見
「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律施行令案」への意見募集(パブリックコメント)についての意見
総会決議
事故・事件捜査における病名の公表に関する質問と要望
「宮崎県で発生した交通死亡事故報道」に関する声明