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JESが、ILAEてんかん発作型と分類の日本語版発表。 2019.06.25
ILAEてんかん発作型と分類の日本語版発表
発作は焦点起始、全般起始、起始不明に分類
日本てんかん学会はこのほど、国際抗てんかん連盟(ILAE)のてんかん発作型分類とてんかん分類2017の日本語版を学会ホームページに掲載した。発作型は焦点起始発作、全般起始発作、起始不明発作に分類され、その下のカテゴリーに運動発作と非運動発作があり、焦点発作には意識が保持されるものと障害されるものがある。診断については、「発作型」「てんかん病型」「てんかん症候群」の3つのレベルで行うとしている。
発作型は1981年版を改訂したもので、一部の発作型を焦点発作と全般発作のどちらでも分類できるようにすることなどを目的としている。変更点として、「部分(発作)」という用語を「焦点(発作)」としたほか、「意識」を焦点発作の分類要素として使用している。認知障害(発作)、単純部分(発作)、複雑部分(発作)、精神(発作)、二次性全般化(発作)の用語は廃止。焦点発作のカテゴリーには自動症発作、自律神経発作、動作停止発作など、全般発作には眼瞼ミオクロニーを伴う欠神発作、ミオクロニー脱力発作などが新設されている。
分類の枠組みは1989年版を改訂したもの。診断は発作型、てんかん病型、てんかん症候群の3つのレベルで実施。病型のレベルは、すでに定着している「全般てんかん」と「焦点てんかん」に加え、「全般てんかんと焦点てんかんの合併(全般焦点合併てんかん)」と「病型不明てんかん」のカテゴリーが新設されている。
病因診断に関する検討は初診時から開始するが、診断過程の各段階でも行うべきであり、1人の患者のてんかんが複数の病因カテゴリーに分類される場合もあるとしている。カテゴリーは「構造的」「素因性」「感染性」「代謝性」「免疫性」「病因不明」の6つ。また、てんかんの記述用語としての「良性」は、「自然終息性」と「薬剤反応性」という用語に置き換えて、状況に応じて使用する。「発達性てんかん性脳症」という用語は、そのまま、あるいは「発達性脳症」「てんかん性脳症」という形で適宜使用することができるとしている。