てんかんをオープンにして働く
Mさん / てんかんのある本人
私は、中学生のある朝、突然無熱性のけいれんをおこし、てんかんを発症しました。10代~20代前半は発作が頻発し、精神障害者保健福祉手帳1級を取得しました。20代半ば~後半になると、発作をコントロールできようになり、手帳は、1級→2級→3級に!現在は抗てんかん薬を1種類、毎日服薬し、フルタイム正社員で働いています
◆てんかんをオープンにして転職活動
一般就労で数回転職を経験。現在は不動産会社で働いています。
応募総数は、100社をゆうに超えます。
その際に私が必ず行っていたことは、「てんかん」をオープンにすること。履歴書の特記事項欄には、持病のてんかんがあること、精神障害者保険福祉手帳を所持していることを記載していました。
もちろん持病をオープンにすることで、不採用となることも沢山ありました。
・障害者手帳をもつ人をこれまで雇用したことがない
・発作がおきたり、何かあっても責任が取れない
それでも私がオープンに話していた理由は、「信用信頼に関わることであるから」です。病気を隠して、何か起きてからでは遅いと考えていましたし、何より、自分が逆の立場になったら話して貰えた方がより気持ちよく仕事ができる、と思うからです。
◆職場でオープンにできるならした方がいい
協会のグループ交流会で「てんかんをクローズにしていると嘘をついている、隠しているという罪悪感がある」と話している方が数名いらっしゃいました。私も同感です。
現在勤務している会社は入社前に私の体調について既存社員に説明をしてもらい、安心して働いています。差別されることも、逆に特別扱いされることもなく、普通に、皆と同等に扱ってもらっています。
私は昔、【持病(てんかん)がある=マイナスなイメージ】と思っていましたが、周りもそう感じているとは限りません。素直に自分のことを包み隠さず話すことで、「話してくれてよかった」「事前に教えてくれてありがとう」と、友人や今の職場のメンバーは言ってくれました。
◆てんかんと社会生活の両立
普段の生活で意識していることがあります。
・てんかん以外の体調不良によって勤務に支障をきたすことがないよう健康管理をする
・サポートが必要なときは無理をせず、周りに頼る
メンタル面では
・自分なんてどうせ・・・のようなネガティブな思い込みを捨てる
・病気を言い訳にしない
・健常者と同じように、普通を心掛ける
自分で自分を特別視せず、できないと決めつけず、とにかくトライしてみることで私は心も体も健康になれました。まだ治療中とはいえ、発作もかなり減りました!
ここまで10年以上、長い時間がかかりましたが、周りのサポートと自分の意識で変わることは少なからずあると思います。私の経験が少しでも誰かの役に立つと嬉しいです。